その人の知性レベルは、相手にどんな質問を投げかけるのかでわかる。

<悪い例>
相手が的を射ない回答しかできない漠然とした質問をする人。
何が聞きたいのかわからない質問をする人。
そもそも質問する気もないのに会話をするための質問をする人。
こういう人たちを見るたびに、「残念だなー」と感じてしまう。
せっかく「質問をする」というチャンスを得ているのに、
的確な回答が返ってこない質問をするから、自分が得るべきものを得られない。
質問をした相手との距離も縮まらない。
「質問」のパターンを認識することが大事
質問を上手にできるようになると、人生がうまくいく。
コミュニケーションが円滑に進むし、知りたいことも知れる。
仕事ができない人、モテない人とは、
結局のところ「質問が下手」なのである。
では、質問が上手になるためにはどうすればよいか。
それにはまず「質問」について深く考える必要がある。

相手との1-1の局面にふさわしい質問には、
まず大きく2つのパターンある。
それは自分が聞いて知りたい質問と、相手が話したい質問だ。
もちろん最終的には、「自分が聞きたくて知りたい質問」へ
たどり着かせて回答を導かないと、相手と過ごした時間の意味がない。
だがこのゴールへ向かって、
最初から自分が知りたい質問をぶつけまくってガッついているようだと、
うまくいくものもうまくいかなくなる。
質問のコツは、
まずはおおよそ相手がしゃべりたいだろう質問を
投げかけるところからスタートするとよい。
序盤は想像力を働かせて、相手が気持ちよく話せる質問をするのだ。
これをする利点は、
相手が饒舌になり話す内容の質が上がってくるということ。
そしてこちらはただ質問しているだけなのに、
よき理解者だと勝手に愛着をもってくれることである。
心理学用語でいうところの、いわゆる“ラポール”が即興的に形成されるのだ。
その状態ができてから、
そこではじめて自分が知りたいことを聞く質問に移ればよい。
質問の内容とタイミングといった点に、きめ細やかに気を配れるかどうかが、
被質問者との今後の関係性が良好になるかどうかの分かれ目だ。
さらに1-nの局面になると、質問のパターンがもう一つ加わる。
それはそこに居合わせる大多数の人が聞いて知りたい質問だ。
大人数で話しているとき、
セミナーなどでの質疑応答の場面。
質問者の大役に自分が仰せつかったときには、
なるべく場の空気を読む努力をしよう。
サッカーの中田英寿選手や、
野球のイチロー選手が、
記者にレベルの高い質問を要求するのは有名な話。
つまらない質問をする記者は、呆れられ興ざめされて当然だろう。
質問のいかんによっては、
回答するために自分の精神状態を撹乱させられてしまうのだから。